おいしいおだんご

ブログです

過涙症

いつものように22時にバイトが終わる恋人の帰りを待ちながら人参を切っていると視界の端にチラつくものがあり、コンロに目を向けるとゴキブリがいた。わたしはほんとうに「ひえ〜っ」と声をあげてしまい、倒さなければ、だけどコンロの上でゴキジェットは使…

酒が好きか?

酒を飲んだ。酔っ払っている。酒を飲んでいるだけで時給が発生するバイトをしています。酔っ払ったとき恋人のことが大好きだーー以外の思考が消滅してしまうのはわたしが愛に生きていることの証明ではないですか?わたしは愛の人なのです。というかわたしは…

帰れバカ

地元が嫌いだ。いやほんとは嫌いではないし地元の友達に会うのも好きなんだけど、たぶんわたしは地元の土地そのものが嫌いなんじゃなくてわたしの子供時代がどうしようもないコンプレックスで、その数々の記憶の断片を否応なく思い起こさせる地元の風景やそ…

チカチカする

半身浴をしていた。ぼんやりとした照明が甘ったるい湯気でますますぼんやりしてしまうことと、恋人が入れてくれた入浴剤が必要以上にヌルついていることに苛つきながら、何となく左乳首を触ってみる。かわいい、すこしだけ凹んでるわたしの乳首。わたしの身…

映画

映画を作ろうとしている。5分くらいの短編映画、観客を置いてけぼりにする気満々のマスターベーション映画。 わたしはわたしを文章に起こすのが大好きなのだけど、創作は全然得意ではなくて、"花"、"血"、"お風呂"、"赤"、"タバコ"、好きな単語と断片的なシ…

プール

普段からスマホはおやすみモードの設定にしているのだけどそれは誰かからの連絡を受け取るたびに光る画面とそれを心待ちにしている自分を見たくないからで、結局ツイッターのタイムラインをだらだら見ながら5秒に1回通知センターを表示して恋人からのLINEが…

拝啓きみへ

個性ってなんなのというのはわたしの永遠の研究テーマなのかもしれない。 変な服を着るのが個性なのか、インディーズバンドを聴くのが個性なのか、髪を奇抜な色に染めるのが個性なのか、集団から外れるのが個性なのか、協調性がないのが個性なのか、うるせえ…

いかり

わたしの大好きな人の口から、あなたはメンヘラだねということばが出てきたので、わたしはもう腹を切って自害するか、きみをぐちゃぐちゃに殺して遠くへ逃げるしかなくなってしまった。困った。 わたしはきみの、好きなことを好きなようにする姿が好きで、自…

工事中

わたしは土台づくりに失敗したレゴブロックで、基礎が固まってない工事現場で、下のほうがスカスカになったジェンガなんだとおもう。わたしを確かに構成する基礎であるはずの彼女は、わたし建設の序盤においてきれいさっぱりどこかへ消えてしまった。 さて、…

彼氏が煙草を吸っていた

と、いうことをつい数十分前に聞いて、わたしはなんだかもうどうしようもなくなって、涙が出そうになってしまった。 彼の好きなものは、インディーズバンド、洋服、写真、お酒、で、わたしは彼の、好きなことを好きなようにしている姿が好きなのだけど、彼が…

惹かれる

そもそも人は自分が持ってないものを持っている人に惹かれるはずなのだけど、ねえ、神さま、この仕組みはどうも残酷じゃないですか。 わたしのすきな人は趣味も特技もすきなことも欲しいものも行きたい場所も確固とした考えもぜんぶ持っていて(すくなくとも…

仮想的有能感

という言葉を知った。 明確な根拠なく自分が周りよりも優れていると感じること、らしいのだけど、なんだそれ、わたしじゃないか。 何をどうやっても天地がひっくり返って羊がカーカー鳴いたとしても絶対好きになれない、分かり合えない、そういう人って誰に…

発火、シロップ

また赤い1週間。 お気に入りの下着にべたりと居座る鮮血、トイレットペーパーに付着して水に浮かぶそれ。 女性はみんな戦ってるだなんていうけれど、毎月やってくるこれは戦いなんかじゃない。わたしの中身が居場所をなくして、なくなったそれを求めて出てく…

知る幸せ、知らない幸せ

いっぱんに、知ることと幸せはイコールで繋がれることが多いように思う。 幸福についての一般論なんてものを考えることじたいが馬鹿げているのかもしれないけれど、まあ一般的にいえばそうなのだろうと思う。 のだけど、それと同時に、「知らないほうが幸せ…

すきな人とだと、何時間電話しても飽きないの

と、言っている女の子がいて、ああなんて世界はきれいなんだろうと、何だかわたしはまるっと救われた、のです。 わたしのすきな人はわたしのいちばんの人で、でもそれはほかの人のいちばんの人じゃなくて(何人かにとってはそうかもしれないけど)、みんなそ…

搔き停める

最近、思いついたことを(主にいつか文章にするために)書き留めるようにしているのだけど、後で見返しても全くその意図が掴めない。やはりその時頭の中で浮かび上がったイメージは、その時にしかきちんと呼吸をしてくれないらしい。 "血管は青い"、"見透か…

かにく

考え方とかセンスとか知性とか、そういう自分の根底にある柔らかい部分を褒めてほしい、認めてほしいって気持ちは誰しも持っているものだと思う。のだけど、わたしはそれが人一倍強い、と自負している。 かわいい、好き、かわいい、かわいい、好き。そんなの…

幼さゆえの背伸びなのか経験不足なのかただの僻みなのか、それはわからないのだけど、とにかくわたしは長いこと恋愛というものをナナメに見ていた。 わたしはわたしのことが大好きだから、大抵の決断というか、ものごとの善し悪しは「それをしている自分を好…

だけ

自分だけ、を、人は求めているのです。 自分だけが持ってるもの、自分だけに注がれるもの、自分だけができること、そんなものどこにもないのに、それでもそれを死にものぐるいで探しながらわたしたちは生きてる。 自分の他に代替品がない、って状態、ぞくぞ…